テンバガーとは?株価10倍銘柄を予測する方法や投資するメリット・注意点を解説

テンバガーとは?株価10倍銘柄を予測する方法や投資するメリット・注意点を解説

株価が10倍になり、10万円の投資金額が100万円になって返ってくる。

 

なんだか、夢のような話ですが、実際にそのような一攫千金のチャンスが株式市場には転がっています。

株価が10倍になる現象のことを「テンバガー」と呼びます。

 

ほとんど起こらないと思いきや、しっかり分析をしていれば、宝くじより高い確率でテンバガーをつかめるかもしれません。

 

本記事では、テンバガーを予測する方法や投資する上でのメリット・デメリットを解説します。

 

目次

テンバガーとは

 テンバガーとは「株価が10倍以上になった銘柄」「株価が10倍以上になりそうな銘柄」を指します。

これまでの事例では10倍どころか20倍・30倍になった銘柄もあります。

銘柄 テンバガ―前 テンバガ―後
ペッパーフードサービス
<3053>
600円 6000
ディップ
<2379>
50 3400
RIZAPグループ<2928> 2.9 429

 

600円前後だった株価が2017年に6000円を突破したペッパーフードサービス<3053>2008年には50円前後だった株価が一時は3400円まで上昇したディップ<2379>2009年に2.9円だった株価が2018年には429円まで上昇したRIZAPグループ<2928>などは短期的、長期的共にすさまじい成長を見せた銘柄の代表です。

 

株価が急騰している銘柄は、いったいどこまで株価が跳ね上がるか、利益確定の判断が難しい分、高値を見極めた際にはまさに一攫千金の銘柄といえます。

 

テンバガーというのは野球用語に由来しています。

アメリカ野球では「バガー」とは「塁打」のこと。

 

塁打とは、ヒット1本で1塁に進んだら「1塁打」、ツーベースヒットで2塁まで進んだら「2塁打」というように、進んだ塁の数を数えます。

 

つまり、テンバガーは「10塁打進む」ということ。

 

1人の選手が1試合で10塁打ち上げるのはすさまじい「当たり」であるというところから、大化けした銘柄のことをアメリカのウォール街でテンバガーと呼ぶようになりました。

 

ちなみに、株価が10倍以上に急騰する銘柄もあれば、10分の1以下に急落する逆テンバガーの銘柄もあります。

福島第一原発事故が起こった際の不手際が批判された東京電力ホールディングスは、まさにその代表といっていいでしょう。

 

地震前日の310日には2153円だった株価が、2011年の終値は183円まで急落。

2018年終値も653円と、回復の兆しは見えないままです。

 

テンバガーはどんな業界で多い?

株価が急騰する現象であるテンバガー。

実は2000年からの15年間のうちに300近い銘柄がテンバガーを達成しているのです。

 

平均すると、1年間で約20銘柄にテンバガーの可能性が秘められているということです。

このように見ると、宝くじより身近な一攫千金の世界に見えてきますね。

 

テンバガーはある程度偏った業種で発生しやすくなっています。

とくにテンバガーを達成しやすい業種である「証券・先物取引業」「インターネット通信・IT関連企業」「最新テクノロジー関連事業」に焦点を当ててみていきましょう。

 

証券・先物取引業

大規模な証券会社・先物取引会社は安定的な運用をしている企業が多いですが、小規模な証券会社・先物取引会社は投資による爆発的な利益によって急激に株価が上昇することがあります。

逆にいえば、損失も大きく出すことがあるので、注意が必要です。

 

過去の証券・先物取引業でテンバガーを達成した企業として、フューチャーベンチャーキャピタル<8462>が挙げられます。

2015年の1月には200円台だった株価は、2016年の1月には3000円台に乗りました。

 

インターネット通信・IT関連企業

現代はインターネットなしでは生きられないほど、インターネット通信の重要性は増してきています。

IT関連企業はインターネットに関連付けた新しい商品を次々と生み出し、新たなサービスを発表して一躍脚光を浴びる企業が多いため、テンバガーを達成しやすい土壌が整っているといえます。

 

過去には、ゲームの「モンスターストライク」がヒットしたミクシィ<2121>、「パズル&ドラゴン」で有名なガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>などがテンバガーを達成しています。

 

最新テクノロジー関連事業

テクノロジーが進歩する中で、医療や素材、バイオなどの分野の最新技術が注目されています。

これらの業種からもテンバガーを達成する企業が出てきています。

 

テクノロジーの進歩は加速しているため、今後もテンバガーを達成する企業が出てくる可能性は十分にありそうです。

 

過去の事例としては、アキュセラ・インク<4589>が挙げられます。

アキュセラ・インクは眼疾患治療薬を開発していた小さなベンチャー企業で、東証マザーズに上場していました。

 

2015年に安値638円だった株価は、2016年に一時6790円を達成。

10倍以上の上昇率を見せましたが、その後、新薬の臨床実験失敗をきっかけに株価は急落しました。

 

テンバガーを予測する際に注目すべき3つのポイント

これまでのテンバガーの傾向や現在の世の中の動きから、多くの人が「次のテンバガーはどこか」と予測しています。

過去の事例を見ると、テンバガーを達成する銘柄は以下の3つの特徴を持っているといえます。

 

低株価である

過去のテンバガーを見ると、ほとんどが低株価の銘柄となっています。

2018年にテンバガーを達成した5銘柄、3銘柄が株価700円以下から高騰がスタートしました。

 

2017年にさかのぼると、9銘柄中9銘柄が株価500円以下と、かなり小さな額となっています。

これらの銘柄は大物投資家にはほとんど見向きもされない銘柄ですが、ふとしたきっかけでトレンドとなり、一気に注目を集めることで株価が跳ね上がります。

 

時価総額が小さい

テンバガーを達成する多くの銘柄は時価総額が小さい銘柄です。

というのも、既に時価総額が大きい会社の場合、株価が10倍になるには途方もない額の投資が集まる必要があります。

 

一般的には時価総額300億円以下の企業であれば、発行済株式数も少なく、より少ない資金で大きく株価が動くことが予想できます。

 

上場後間もない

上場して間もない新進気鋭のベンチャー企業はテンバガーの可能性を秘めています。

2017年にテンバガーを達成した9銘柄のうち、7銘柄は新興市場である東証マザーズ、JASDAQに上場している企業でした。

 

また、2018年にテンバガーを達成した5銘柄もすべて新興市場に上場している企業。

これらの新興企業は上場した勢いと期待、さらには低株価であることや時価総額が小さいといった特徴も持ち合わせており、爆発的な人気を集めることがあるのです。

 

テンバガー銘柄に投資するメリット

投資家によっては、テンバガー銘柄を好んで投資する人もいます。

テンバガー銘柄に投資するメリットはシンプルに以下の2つを挙げることができます。

 

短期間で資産の大幅アップが狙える

短期間で一気に注目を集めた銘柄がテンバガーを達成するため、底値で株を仕入れることができれば、資産が10倍になって転がり込んできます。

 

ゲームを開発する会社であるサイバーステップ<3810>は、2016年の初めには株価401円でしたが、6月には7980円まで高騰しました。

 

わずか半年の間に20倍近い伸びを見せたことになります。

このように、短期的投資においてテンバガーは見逃せない存在です。

 

少額からの投資が可能

テンバガーを達成する多くの銘柄は低株価であり、小額からの投資が可能です。

中には2桁台の低位株が化けることもあります。

 

RIZAPグループ<2928>20141月時には19.8円だった株価が、20177月には1474円まで急騰。

実に74倍という成長率を見せました。

 

RIZAPグループ1単元100株のため、20141月時点ではわずか1980円で仕入れることができたということです。

ちょっとしたお小遣いが、3年後には15万円弱にまで膨れ上がるのですから、やはりテンハガーには夢がありますね。

 

テンバガー銘柄に投資する上での注意点

 一方、テンハガー銘柄には注意点もあります。

 

価格変動のリスクが大きい

1つ目の注意点は、価格変動のリスクが挙げられます。

もともと注目されていない銘柄が多いため、そのまま倒産したり、赤字経営が続いたりといったこともあります。

 

あるいは、テンバガー後に株価が急落する銘柄も多く、売却のタイミングが難しい銘柄といえるでしょう。

テンバガーは世間の動向と企業の事業がうまくかみ合った時に発生します。

 

「低株価だし、いろいろ買ってどれか1つでも当たればいいや」と分析せずに買い込んでしまうと、大損になってしまうので気を付けましょう。

 

仕手株の可能性がある

テンバガーを狙う際に気を付けたいのが仕手株です。

仕手株とは、投資家集団が低位株などに投資して、意図的に株価を吊り上げた株のことです。

 

仕手株は株価が急上昇するため、一見利益確定のチャンスですが、意図的な買いで吊り上げられているため、売られる時の株価急落のスピードがいつも以上に早く、高値づかみをしてしまう危険性が非常に高くなっています。

 

トレンドや新サービス発表などの背景がまったくない中で不自然に株価が急上昇している場合、仕手株を疑うといいでしょう。

 

まとめ

 以上、テンバガーになりやすい銘柄の特徴や気を付けるべき注意点についてまとめました。

低株価の銘柄はたくさんありますが、その中で大化けする銘柄を当てるのはなかなか難しい作業といえます。

 

テンバガー株を見つけるには、スクリーニングと呼ばれる検索機能を使うのがおすすめです。

低株価や時価総額の小さい会社を探してみて、過去の事例や投資家たちの予想をチェックしてみるといいでしょう。

 

 

関連:[株の基礎用語集]株式投資でリターンを出すための前提知識。

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