証券取引所には無数の銘柄が存在しており、その中で株価水準が低い銘柄を「低位株(ボロ株)」といいます。
低位株(ボロ株)は、大きな利益を出すロマンと上場廃止のデメリットが隣り合わせになっている銘柄です。
本記事では、低位株に投資する際のメリットや注意点をお伝えします。
低位株(ボロ株)とは
日本での株式投資のメイン市場である東証一部には、現在3600を超える企業が上場しています。
東証二部やマザーズ、JASDAQといった新興市場、名古屋、札幌、福岡にある証券取引所を合わせると、上場企業の数は数えきれないほどの規模です。
それらの銘柄の中で、株価水準が低い銘柄を低位株といいます。
株価が1000円を切ると低位株と呼んだり、500円、300円を基準としたりと基準はさまざまですが、一般的には株価500円以下の銘柄を低位株とするケースが多いです。
一方、ボロ株とは「超低位株」とも呼ばれ、株価100円以下の銘柄を指します。
2019年10月29日、東証一部、二部、マザーズで検索してみると、株価500円以下の低位株は359銘柄、株価100円以下のボロ株はそのうち31銘柄を占めていました。
低位株(ボロ株)の株価が安い理由
低位株の株価が低迷しているのは以下のような理由が考えられます。
・配当が出ていない
・不祥事を起こした
・現時点での業績が良くない
・今後の業績に不安がある
企業としての経営自体は成長しているのに、新商品やサービスについての情報が認知されず、投資家へのアナウンス不足で株価が上がらないというケースもあるかと思います。
低位株はリサーチ対象となりにくいため、投資家があまり目を付けていないだけかもしれません。
また、会社に不祥事が起こると、株価は低迷します。
そのため、企業の経営とは関係なく、不祥事を理由に低位株に甘んじる有名企業もいます。
その他、会社の業績によって投資家たちは保有株を売りに走り、株価が低迷したケースもあります。
現時点での業績の不振を持ち直す展望があるならば、有望な投資先といえますが、回復の兆しがなく業績不振を重ねているならば、さらに株価が低迷する可能性も高いです。
これらの理由の他に、発行済株式数が多くなったことで1株当たりの価値が下がり、株価が低くなることもあります。
低位株(ボロ株)に投資するメリット
低位株(ボロ株)は業績不振や不祥事といった理由により、株価が低迷します。
しかし、そんな低位株やボロ株に可能性を見出す投資家たちもいます。
ここでは、低位株(ボロ株)のメリットについて解説しましょう。
少ない資金で投資ができる
低位株のメリットは、少ない資金で投資できることです。
たとえば、日本の経済指標の1つである日経平均は20000円以上です。
日本では100株、あるいは1000株を1単元とし、単元単位で株を購入するという単元制度を採用しています。
そのため、日経平均の株価で株を購入するとなると、20000円×100株で最低でも200万円の初期資金が必要です。
仮に株価が1000円、1単元が100株であっても、10万円の初期投資が必要です。
一方、低位株は500円以下と1株当たりの価格が低く、1単元を購入した際の価格が低いので、最低購入額が低くなっています。
ボロ株であれば2ケタ台の株価も多く、1単元買った際の金額が1万円にすら満たないこともあるのです。
株初心者であれば、少ない資金で株式市場を体験できます。
大化けする可能性がある
最大の魅力は、何らかのきっかけを掴んで注目銘柄となり、株価が高騰する可能性を秘めていることです。
既に成熟している企業の成長率は軟調になりがちです。
安定的ではあっても、株価が急騰することはあまりありません。
たとえば、時価総額No.1のトヨタの株価は2019年10月時点で7000円台ですが、トヨタは発行済株式数も多く、株価が急激に2倍に膨れ上がるなどのことはほとんど起こりません。
一方、低位株(ボロ株)はトレンドとなって注目され、一気に株価を上昇させるケースがあります。
いわゆる「テンバガー」はその1つで、株価が10倍になることを示しますが、テンバガーを記録する多くの銘柄が低位株やボロ株です。
中には20倍、30倍、100倍といった株価の上昇を見せる銘柄もあります。
雑貨屋ブルドッグ<3331>は最安値45円のボロ株でしたが、2013年に最高値550円まで上昇しました。
株価が低いと、少ない投資でも株価が値動きしやすく、大きな利益確定につながることがあります。
このため、短期売買スタイルの個人投資家たちにも低位株(ボロ株)は人気です。
低位株(ボロ株)に投資するデメリット
低位株は投資家たちのロマンを秘めた銘柄ですが、当然のことながら投資するにはデメリットもあります。
多くの低位株(ボロ株)は低迷したままである
低位株(ボロ株)になった原因は業績不振や不祥事などの理由が多く、企業は一定のダメージを受けています。
そのため、再び浮上するケースは少ないということを覚えておきましょう。
また、低位株(ボロ株)は上場廃止や倒産の危険性が隣り合わせです。
購入した株券が無価値になってしまうことも十分考えられます。
投資家たちに注目されている流動性の高い低位株であれば、あるきっかけを掴んで浮上する可能性もあるのです。
株価が急騰しても、すぐに戻ってしまうことが多い
大化けする低位株は急激に株価を上昇させますが、騰落率が激しく、結局元の水準に戻ってしまうことが多い点にも気を付けたいところです。
低位株の高騰は売り時を逃すとすぐに下落トレンドになり、含み益を逃してしまうことがあります。
低位株はそうそう何度も浮上しないことから売却の判断が難しいです。
位株(ボロ株)で大損をしないために
低位株は安定性に欠けるため、投資にもテクニックが必要です。
大損をしないためには以下の点を押さえてみてください。
複数の低位株(ボロ株)に分散投資する
低位株は小額から投資できるため、複数の低位株に分散投資しやすいのが魅力。
1つの銘柄で一獲千金を望むのではなく、流動性の高いいくつかの銘柄を選び、浮上のサインを見極めながら分散投資していくのがおすすめです。
仕手筋に注意する
低位株は少ない資金で値動きします。
そのため、意図的に多額の資金をつぎ込んで株価を操作する「仕手筋」と呼ばれる集団に注意すべきです。
仕手筋によって株価を操作された低位株は、何の材料もなしに株価が乱高下します。
一見、利益を出しやすいように思えますが、株価の動きが読めないため、損失を出してしまう可能性が非常に高いです。
株価が上下している銘柄を見つけたら、材料あっての値動きかどうかを確認しましょう。
リスクを理解した上で投資する
低位株は株価が上昇しやすい反面、下落もしやすいデメリットもあります。
「少ない資金だから、投資も簡単」と考えるのは安易な発想です。
必ずリスクを理解した上での投資が必要です。
まとめ
低位株は時に大化けする可能性を秘めていますが、ほとんどの銘柄はそのままで終わるケースが多いです。
また、激しい値動きを見せる分、利確のタイミングが難しく、仕手筋にも気を付けなくてはいけません。
低位株・ボロ株を好んで選んで投資する投資家もいますので、彼らの意見を参考にしながら成長を期待できる銘柄を探すのがおすすめです。
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