株式投資を始めたばかりの人や興味がある人に向けて、株主優待制度について分かりやすく説明します。
企業が提供している優待品の種類や、株主優待投資を行なう際の注意点などもご紹介します。
株主優待制度についてよく理解でき、ポイントを押さえて株主優待投資を行なえるようにまとめました。
株主優待品をゲットし、楽しみながら株式投資を行ってください。
株式投資を楽しむなら株主優待制度を利用しよう
株主優待制度とは、自社の株を一定数以上保有する投資家に対して、企業が年に1回か2回モノやサービスをプレゼントする制度です。
株主優待制度だけを狙って株式投資を行ない、優待制度を利用してゆとりある生活を送る投資家もいます。
優待投資家は、食事や日用品など、普段の出費のすべて、もしくは大部分を優待品でまかなう理想的な生活を送っています。
受けられる優待の種類
株主優待制度で受けられる優待品は、企業によってさまざまです。
企業の自社製品を株主に送る会社も多いです。
その会社の製品をとおして、投資する企業のことをよりよく知れます。
非売品の商品を受け取ることもあり、お得感もあるでしょう。
自社製品のほかには、カタログギフトや食事優待券、ギフト券、QUOカードなどがあります。
優待が届いたあとに、自分で商品や使い道を考えられるのが魅力です。
QUOカードはセブン-イレブンやファミリーマート、ローソンなどのコンビニで使えます。
自分や家族、友人へのプレゼントにギフト券を使ったり、特別な日の食事を食事優待券で豪華に祝ったりするのもよいでしょう。
株主優待でもう1つおすすめなのが、お米やお米券です。
新米を送ってくれる企業もあり、お米が届くのが楽しみになるでしょう。
新潟県ブランド米や北海道ブランド米など、企業によってお米の産地や種類が違います。
お米を食べ比べするなど、楽しく株主優待制度を利用できます。
株主優待制度を利用する条件
優待を受けるには、「権利確定日」にその企業の株主として登録されている必要があります。
権利確定日は株主優待制度を受けられるかどうかを左右する大事な日です。
「権利付き最終日」も押さえておきたいポイントです。
それは権利確定日の2営業日前。
その日に株式を持っている人が株主優待を受けられます。
逆に、確定日の前日や当日に駆け込みで株式を買っても、株主優待は受けられません。
これは株主名簿に登録してもらうのに時間がかかるからです。
仮に3月30日が権利確定日なら、3月28日の時点で株式を買うか保有していなければなりません。
もちろん、間に土日祝日を挟む場合、営業日で考えるので前倒しになります。
株主優待制度を活用する際のポイント
株主優待制度を利用していくうえでのチェックポイントをご紹介します。
初めて株主優待投資に挑戦する人は、これから紹介する3点を押さえるとよいでしょう。
優待内容の確認
食料品や食事券・金券、ファッション、サービスなど、優待品の種類は多いので、ジャンルごとに分けて探すのがおすすめです。
カタログギフトであれば、どんな商品のなかから選べるのかをチェックします。自分が好きなアイテムや使えそうなものが含まれているカタログギフトが見つかるでしょう。
一方、自分が普段使わないものをもらっても意味がありません。
レストランや施設の割引券が送られてくる株主優待がありますが、それらの施設を利用しないなら、優待品としての魅力は薄いです。
そもそもその施設が地元にないという場合もあります。
ほかにも、優待品の数量や金額もチェックポイントです。
お米なら何キロのものが送られてくるのか、お米券ならいくらのものかなどを確認します。
その際に、優待を受けるために必要な投資金額と比較してもいいでしょう。
同じ金額で株主優待を受けられる場合、1,000円相当の優待品と3,000円相当の優待品があれば、3,000円相当の優待を実施している企業に投資したくなるかもしれません。
必要株式数の確認
株主優待制度には、必要株式数が存在します。
たとえば、必要株式数が1,000株で、現在保有しているのが500株なら、500株買い足すことで必要株式数の条件をクリアできます。
保有株式数が増えると、優待品がアップグレードする企業もあります。
100株では2,000円相当の買い物優待券なのに対し、500株保有していると3,000円相当になるケースなどです。
ただ、保有株数が増えても、優待品の価値が同じ割合で増えるとは限りません。
必要最低株式数の株式だけを保有したほうがお得なこともあります。
権利確定日の確認
株主優待の権利確定日は、優待を実施する企業によって異なります。
株式を買いたいと思う企業や、希望する株主優待を実施している企業があれば、権利確定日がいつかを確認するとよいでしょう。
証券会社のサイトなどで、株主優待の一覧を月ごとにフィルタリングして検索できるサービスがあります。
来月や数か月後など、権利確定日が間近の企業を探して株主優待を狙うのもおすすめです。
権利確定日がまだ先の場合、アラーム機能などを利用して、株価が一定値を下回るのを待つのもよいでしょう。
株主優待投資を行なう際の注意点
メリットや魅力が多い株主優待制度ですが、注意点もあります。
株主優待投資を始めるうえで、ぜひ気をつけたい注意点をご紹介します。
株価の下落に気をつける
株主優待品に気を取られていると、株価の変動リスクについて忘れてしまうことがあります。
株主優待投資を行なう人のなかには、優待品が魅力的な企業の株はずっと持ち続けるので、株価の変動はあまり気にしない人もいます。
しかし、株価が下落すると、資産価値が減ってしまいます。
損をしないような取引を心がけるのがよいでしょう。
権利確定日が近くなると、一般的に株価は上昇します。
しかし、権利確定した投資家たちがその企業の株を売却すると、株価は下がります。
結果として保有株の価値が大きく下がることも。
ほかにも企業の業績やニュース、市場のトレンドなどを意識することで、高値の株式を買わないように気をつけることができます。
株主優待廃止の可能性もある
株主優待制度を実施するかどうかは、法律で義務付けられているわけではありません。
実施していない企業もあります。
現在株主優待を提供している企業も、業績悪化などを理由に株主優待を廃止する可能性もゼロではありません。
楽しみにしていた株主優待が受けられないととても残念ですが、その可能性があることも覚えておく必要があります。
株主優待がなくなると知った投資家が、急に保有株を売りに出すことがあり、株価が落ちることもあります。
優待投資家からすると、優待廃止とともにその企業の株式は魅力がなくなるからです。
企業が株主優待を廃止するかどうかを事前に知ることはできないですが、業績や評判の悪い企業に投資をするのは慎重さが必要でしょう。
まとめ
株主優待制度は魅力あふれる制度です。
企業の自社製品や商品券などの優待品が送られてきたり、インターネット上で割引を受けられたりします。
株主優待制度をとおして株式投資に関する理解を深められ、株主優待専門の投資家としても活躍できます。
株主優待制度を活用する際に押さえるべきポイントもそれほど多くありません。
優待商品の内容や必要条件となる株式数を確認すれば、まずは十分です。
一方で、株価の変動リスクや優待廃止の可能性もあります。
企業を目利きする能力を磨き、楽しみながら株主優待制度を活用してください。
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